学習し、自分なりに噛み砕いて、書き出すブログ。

2020年の F1 の振り返りと2021年の F1 に期待すること

Splathon vol.1 Advent Calendar 2020 の 23 日目の記事となる。
前日は今年のふるさと納税 - Naomi says, という記事だった。

今年は個人的にスプラトゥーン関連でいくつか嬉しいことがあった。

  • 大王戦という Splathon 内のウデマエに応じて tier が分かれるリーグ戦で、将軍 tier(S+~ X2200?くらい)で優勝した
  • 全ガチルール通して初めてガチエリアで X に到達した

こういったことについて記事を書こうかと思ったが、それよりも F1 について語りたかったので、今年の F1 の振り返りと来年の F1 で期待する点を書いていく。

書きたいことを書いたら長くなったし、記事の内容はスプラトゥーンと関係ないけど気にしない。

2020 年シーズンの振り返り

今年は新型コロナウイルスが世界的に蔓延した年ということもあって、異例づくしのシーズンになった。
今シーズンを簡単に振り返ると以下の通りになる。

  • 開幕戦のオーストラリアグランプリが直前で F1 チームのスタッフに新型コロナウイルスに感染した人が出てキャンセル
    • この結果シーズン開幕が 7 月までずれこむ
  • 例年と比べて番狂わせの多さ
    • とはいえやっぱり 3 カテゴリーに分かれた F1
  • やっぱり強かったメルセデスとルイス・ハミルトン、前人未踏のチーム 7 連覇とミハエル・シューマッハーに並ぶ 7 度目のドライバーズチャンピオン
  • チャンピオンを狙ったレッドブル、期待外れな結果に終わる
  • トップ 3 の座から凋落したフェラーリ
  • 復活し始めた古豪マクラーレン
  • 新型コロナウイルスの蔓延によって、スーパーサブになったニコ・ヒュルケンベルグとジョージ・ラッセル
  • 九死に一生を得たロマン・グロージャン

3 カテゴリーに分かれている F1

今年のコンストラクターランキングを見ると、メルセデスが圧倒的な差で 1 位になっていて、これに続いてレッドブルが 2 位となっている。
あとは 3 位~ 7 位が拮抗していて、8 ~ 10 位が拮抗するランキングになっている。

こういったポイントの獲得数がだいたい 3 カテゴリーに分かれる構造は、2014 年に車体やエンジン周りの規則が変更されてからあまり変わっていない。

順位 チーム ポイント
1 メルセデス 573
2 レッドブル・ホンダ 319
3 マクラーレン 202
4 レーシングポイント 195
5 ルノー 181
6 フェラーリ 131
7 アルファタウリ・ホンダ 107
8 アルファロメオ 8
9 ハース 3
10 ウィリアムズ 0

(データは F1 公式サイトより引用)

2016 年辺りからトップ 3 はメルセデス・フェラーリ・レッドブルで固定されていたが、今年はメルセデスとレッドブルがトップ 2 で、マクラーレン・レーシングポイント・ルノー・フェラーリ・アルファタウリがその次、そしてアルファロメオ・ハース・ウィリアムズが続くという序列になっている。

メルセデスはだいたい最速の車を持っていて、そこにフロントロー(最前列)に 2 台同時に並べるドライバーを揃えているのが強い。

レッドブルやフェラーリは最速の車を持っていることもあったものの、ドライバーの腕が揃ってなかったり、戦略面で稚拙だったりと、持っているものを生かし切れない場面がメルセデスと比較すると多い。

そのためシーズンオフのテストで 2 チームが有望な結果を示していても、シーズンに入るとメルセデスが勝ち続けるということがこの数年続いている。

番狂わせがあった今シーズン

2016 年からはメルセデス・フェラーリ・レッドブルという 3 チームのどれかに所属していないと、頑張って表彰台に乗ったとしても 3 位止まりで 2 位以上の結果はほぼ得られないという状況が続いていた。

ところが2020 年コンストラクターズランキングを見て分かるように、今年はコンストラクターズランキング 7 位以上はどちらかまたは片方のドライバーが 2 位以上になっている結果になった。

特にイタリアグランプリではピエール・ガスリーが、アブダビグランプリではセルジオ・ペレスがそれぞれ初優勝した。

ピエール・ガスリーは前身のスクーデリア・トロロッソ時代も数えて、スクーデリア・アルファタウリとホンダというタッグになってから 50 戦目という節目で優勝し、セルジオ・ペレスは参戦から 190 戦目という最も遅く優勝するという記録に残る優勝だった。

ちなみに思いもよらぬ優勝をした 2 人は、共に表彰台で座り込むというシンクロを見せた。

相変わらず強いメルセデスとルイス・ハミルトン

やっぱり今年もメルセデスとルイス・ハミルトンは強かった。

シーズン開始前はレッドブルとマックス・フェルスタッペンが喰おうとし、開幕戦ではチームメイトのバルテリ・ボッタスがルイス・ハミルトンを喰おうとしていた。

そういった挑戦者を持ち前の実力と安定感でなぎ倒し、終わってみればほぼ優勝し続けた結果としてのミハエル・シューマッハーに並ぶ 7 回目のワールドチャンピオンとなった。

特にイギリスグランプリのルイス・ハミルトンの走りは圧巻で、ファイナルラップに左前輪タイヤがパンクして半周以上速度を落とした走りにならざるを得ない状況になったにも関わらず、逃げ切って優勝するという離れ業をした。

このときのレースハイライト動画を見ると分かるが、タイヤ交換したマックス・フェルスタッペンが後ろからぐんぐんと追いつくなか、最後まで追いつかせずにチェッカーフラッグを受けるという意味の分からないことをやっている。

このときは元々 2 位を走っていたバルテリ・ボッタスのタイヤがパンクして速度を落としたため、新たに 2 位になったマックス・フェルスタッペンがファステストラップ狙いとタイヤの摩耗に対する安全策として、ファイナルラップの前にピットインしてタイヤ交換をしていた。

結果的にこのことがルイス・ハミルトンにとって良いほうに作用し、タイヤがパンクして三輪で走らざるを得なくなっても勝ったという結果に繋がった。

これがもしファイナルラップでなくその 1 周か 2 周前にパンクしていたとか、バルテリ・ボッタスのタイヤがパンクしてなかったら優勝できてなかったと思われる。

ワールドチャンピオンを複数回取るドライバーは実力のみならず運も備わっているのかもしれない。

期待外れに終わったレッドブル・ホンダ

今年はレッドブルの車体側とホンダ製のパワーユニットが去年比で熟成され、いよいよチャンピオンチームであるメルセデスへ挑み、そしてマックス・フェルスタッペンが最年少チャンピオンの座を奪えるかもしれない。そういった期待がシーズン前のテストだとあった。

【レッドブル密着】RB16 の仕上がりに満足の表情。万全の状態で開幕へ/第 2 回 F1 バルセロナテスト最終日や、『ハイ・レーキ』継承のレッドブル・ホンダ RB16。低速域のダウンフォースも増加/全チーム戦力分析(1)にもあるように、シーズン前のテストでは有望そうに見えていた。

しかしスピンを繰り返すフェルスタッペン。僚友アルボンはレッドブル RB16 への懸念を否定に書いてある通り、シーズン前のテストで両ドライバーがスピンを繰り返すという懸念材料はあった。

結果としてはシーズン通して 2 人のドライバーが合計 13 回の表彰台に乗り、内 2 回は 1 位という結果を残したものの、エースドライバーのマックス・フェルスタッペンにチームメイトのアレキサンダー・アルボンは匹敵することができなかったという印象だった。

アレキサンダー・アルボンは最後まで過敏な挙動を示すリヤを持った車を扱いきれず、予選で常にチームメイトから 0.4 ~ 0.5 秒離されていた。

こういったことがありつつも、パワーユニットの性能が求められるシルバーストン・サーキットでおこなわれた 70 周年記念グランプリでマックス・フェルスタッペンが優勝したり、2014 年以降メルセデスがずっと勝ち続けていたアブダビグランプリでマックス・フェルスタッペンが優勝、アレクサンダー・アルボンも久しぶりに良いペースを見せ 4 位に入るなど、来季に向けて良い兆しは見えつつある。

来年はマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスという、まだ若いながらもキャリア的には中堅の域に入りつつあるドライバーと、ベテランドライバーのコンビになる。

マックス・フェルスタッペンのチームメイトが、F1 に参戦してまだ 2 年目というアレクサンダー・アルボンから、経験豊富なセルジオ・ペレスになることで、数年前のダニエル・リカルド(現ルノー、来季からマクラーレン)とマックス・フェルスタッペンのようにチームメイト同士で争ったり、メルセデスに挑んだりという場面が来年は多く見られるのかなという期待がある。

凋落したフェラーリ

【津川哲夫の F1 新車初見チェック】中低速での改善が意識されるフェラーリ SF1000。レッドブルの大レーキ角コンセプトを導入かの記事にある通り、2019 年のフェラーリは低ドラッグなマシンにパワフルなパワーユニットという直線番長的な特性を示していた。

それはダウンフォース不足に繋がり中低速なコーナーが弱点となっていた。

2020 年はこれを改善すべく、『ハイ・レーキ』採用のフェラーリ SF1000、車体&PU に課題あり。大幅改善も必要か/全チーム戦力分析(3に書かれている通り、レーキ角を大きくしてホイールベースを短くした。

マシンの前面を路面に近づけ、マシンの背面は路面から離れた位置に置くことでグラウンドエフェクトを高め、車体を路面に押し付ける力、ダウンフォースを増すことを意図したものだと思われる。

このレーキ角を大きくしたのは2017 年のマシンの写真2020 年のマシンの写真を比較してみると、2020 年のマシンのほうが前傾になっていることが分かる。

こうして 2019 年のパワーユニットのパワーに合わせて車体側を改良したつもりだったが、車体側の改良は成功とは呼べないものだった。

そしてパワーユニットは去年のパワフルさが鳴りを潜めてしまい、結果として空気抵抗が大きくストレートで遅いマシンとなってしまった。

その結果、1981 年ぶりにコンストラクターズランキングが 5 位未満で終わる年になってしまった。
しかも来年は基本的に 2020 年に使ったマシンを続いて使うことになったため、このままだと今年同様の苦戦が見込まれる。

ただトークンと言われる仕組みを使うことでマシンの一部に変更を加えることができるので、いかにそれを生かせるかが来年のフェラーリにとっては重要になる。

復活し始めた古豪、マクラーレン

マクラーレンは同じようなポイントを獲得したチームと比較して、ドライバー間の差があまり広がっていない。

予選・決勝の勝敗もだいたい同じ、ポイントや予選・決勝の順位もだいたい同じと、かなりバランスが取れた編成になっている。

マクラーレンは 2015 ~ 2017 年のホンダとのコラボレーションが失敗し、マシンも結果的にそんな良くなかったが、それを覆い隠すほどにホンダのパワーユニットが悪いという状況になり、チーム内の雰囲気が最悪な感じになっていた。

そこからアンドレアス・ザイドルという切れ者が代表になったり、ジェームス・キーという中団チームで確かな評価を得ていたテクニカルディレクターを獲得した。

その成果が出ていたのが 2019 年からで、今年はさらに良い成果を出せた結果、コンストラクターズランキング 3 位になったと思っている。

来年は久しぶりにマクラーレン・メルセデスというコンビが復活する。
現時点で最強のパワーユニットであるメルセデスのパワーユニットを搭載するので、よっぽどのミスマッチがなければ今年より良い結果になるのではないかと考えている。

なお今年はチーム内の雰囲気も良かったようで、来季はカルロス・サインツがフェラーリへ移籍するが、その移籍先のフェラーリやティフォシ(フェラーリの熱狂的なファン)に対してマクラーレンがカルロス・サインツを頼むというメッセージを Twitter 上で発表している。

ちなみにマクラーレンとフェラーリの間では2007 年にフェラーリのチーフメカニックがマクラーレンのチーフデザイナーに機密情報を渡す事件(通称スパイゲート)があり、そのときを考えると感慨深いものがある。

スーパーサブとなったニコ・ヒュルケンベルグとジョージ・ラッセル

今年は 3 人のドライバーが新型コロナウイルスに感染して欠場となった。

これにより、昨年限りでシートを失っていたニコ・ヒュルケンベルグがレーシングポイントから参戦し、今年ウイリアムズから参戦していたジョージ・ラッセルがチャンピオンマシンのメルセデスから参戦することになった。

結果としては 2 人とも表彰台に登ることはなかったものの印象的な活躍を見せた。
ニコ・ヒュルケンベルグはあわやキャリア初表彰台が見え、ジョージ・ラッセルにいたってはピットインでのミスがなければ初ポイント獲得が優勝になるところだった。

九死に一生を得たロマン・グロージャン

今年は久しぶりに F1 で大事故があった。近年の F1 は全体的な安全性の向上によって、クラッシュしてもマシンが大炎上することはなかった。

2007 年の時点でさえ、マシン前面がなくなるような大クラッシュをしてもマシンは炎上しなかったし、ドライバーは軽い脳震盪と足の捻挫で済む感じだった。

Embed from Getty Images

しかし今年は大事故が起きた。バーレーングランプリでロマン・グロージャンがガードレールにぶつかりマシンが真っ二つになり大炎上した。

ただこれだけの事故でも意識がはっきりとあり、マシンからは脱出できて、肩を借りながらも歩くことができた。

2018 年から F1 にはコックピット周りにハロ(ヘイロー)と呼ばれる保護装置が設置されている。
これがロマン・グロージャンを保護した結果、意識を失うことなくマシンから脱出できたと思われる。

また死を受け入れた 28 秒間の舞台裏:僕の歩く姿を撮ってくれ…痛みに震えながらも担架を拒否したグロージャンの記事によると、各方面に自分の無事を示すためあえて自分の足で歩いたということで、危機的な状況に陥っても気配りを忘れないのは本当に凄いと思う。

手の火傷により最終 2 戦は欠場したのと、来季の契約は結ばれないことが発表されていたことから、このまま F1 引退の可能性はあるが、シーズン後のテストでメルセデス代表のトト・ヴォルフがマシンを用意しても良いという声明を出している。

そのため、もしかしたらもう一度くらいは F1 マシンで走る姿が見られる…かもしれない。

2021 年シーズン何を楽しみにしているか

ここまでは様々なことがあった 2020 年の F1 について振り返ってきた。
ここからは来シーズンの F1 で何を楽しみにしているかを書いていく。

3 年ぶりにフェルナンド・アロンソが帰ってくる

2018 年の最終戦を持って F1 から離れ、世界三大レースを制すべくル・マンやインディ 500 に挑んていたフェルナンド・アロンソ。

しかし F1 が恋しくなったのか 3 年ぶりに F1 に戻ってくる。しかも古巣のルノーから参戦というサプライズ。

果たして再びフェルナンド・アロンソとルノーというコンビが成功するのか、それとも期待外れに終わるのか、今から楽しみではある。

ちなみに、最終戦のアブダビグランプリで 2005 年にドライバーズチャンピオンとコンストラクターズチャンピオンを取ったルノー R25 というマシンでデモランをした。

やはり 3 リッター V10 エンジンの音は甲高くてとても良い。個人的には 42 秒付近くらいからが最高。このドップラー効果たまんねえなという気持ちになる。

車載カメラからの映像もとても良い。甲高い音とマシンの軽快さが楽しめる。

楽しみな新人たち

来年は今のところ新しく 3 人のドライバーが F1 に参戦する。そのうち 2 人の楽しみなドライバーを紹介する。

7 年ぶりに日本人ドライバーが F1 に戻ってくる

日本人ドライバーは 2014 年まで参戦していた(トヨタ → ザウバー → ケータハムという遍歴の小林可夢偉)。
それ以降は日本人ドライバーがずっといなかったが、来年 2021 年は久しぶりに角田裕毅という日本人ドライバーが参戦する。

この角田裕毅というドライバーは今年 F1 の直下カテゴリーである F2 に参戦し、ルーキーながらランキング 3 位 になった。

F2 は 3 位以上であれば F1 に参戦できるだけのスーパーライセンスポイントを獲得できるため、F2 参戦初年度にしていきなり F1 に昇格できる資格を得たことになる。

そして実際来年はアルファタウリ・ホンダから参戦する。今年の実績からして勝てる可能性が少しでもあるマシンから参戦すること、また本人の実力もありそうということで、今から楽しみである。

9 年ぶりにシューマッハーが F1 に戻ってくる

そして来年はミハエル・シューマッハーの息子、ミック・シューマッハーが F1 に参戦する。

今年の F2 ではチャンピオンを獲得し、文句なしで F1 に参戦できることになった。
チーム自体は今年最遅を競うくらいの競争力だったが、ミック・シューマッハーがどこまで順応できるか見てみたい。

まとめ

今年の F1 は新型コロナウイルスの影響もあり、異例づくしのシーズンになったが、その分ドラマがあった。

来年の F1 が果たしてどうなるのか、引き続き見ていきたい。

おまけ: F1 情報をどうやって得るか

自分が見ている Web サイトや SNS アカウントは以下の通り。

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